【重要判例】最大判昭48.4.25:全農林警職法事件

目次

事案

争議行為を禁止し、そのあおり行為を処罰の対象としている国家公務員法の合憲性が争われた。

結論

合憲

判旨

①公務員の労働基本権の制限

憲法28条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶが、この労働基本権は、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の保証という見地からする制約を免れない。

公務員の地位の特殊性と職務の公共性から、その労働基本権に対し必要やむを得ない限度の制限を加えることは、十分合理的な理由がある。

②政治的目的と争議行為の禁止

使用者に対する経済的地位の向上と直接関係があるとはいえない政治的目的のために争議行為を行うことは、私企業の労働者であるか公務員であるかを問わず憲法28条の保障を受けないから、これを規制することも許される。

③公務員の争議行為の禁止

公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられているのであるから、国家公務員法が公務員の争議行為およびそのあおり行為等を禁止することは、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の見地からするやむを得ない制約であって、憲法28条に違反するものではない。

👉憲法8:「社会権」とは?生存権・教育を受ける権利・勤労の権利・労働基本権をわかりやすく解説(労働基本権とは?)

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