【重要判例】最判昭59.1.26:大東水害訴訟

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事案

大阪府大東市を流れる河川の改修工事が未完成であったところ、この河川が決壊し、周辺住民の住宅が床上浸水した。そこで、周辺住民は、河川管理者である国、費用負担者である大阪府、排水管理者である大東市に対して、国家賠償請求訴訟を提起した。

結論

国家賠償請求は認められない。

判旨

未改修河川または改修の不十分な河川の備えるべき安全性としては、一般に施行されてきた治水事業による河川の改修・整備の過程に対応するいわば過渡的な安全性をもって足りるものとせざるをえないのであって、当初から通常予測される災害に対応する安全性を備えたものとして設置され公用開始される道路その他の営造物の管理の場合とは、その管理の瑕疵の有無についての判断の基準もおのずから異なったものとならざるをえない。

したがって、未改修河川または改修の不十分な河川の管理についての瑕疵の有無は、同種・同規模の河川の管理の一般水準および社会通念に照らして是認しうる安全性を備えていると認められるかどうかを基準として判断すべきである。

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