【重要】最大判昭37.11.28:第三者所有物没収事件

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事案

貨物の密輸を企てた被告人が有罪判決を受けた際に、その付加刑として密輸した貨物の没収判決を受けたが、この貨物には被告人以外の第三者の所有する貨物が混じっていた。

そこで、所有物である第三者に事前に財産権擁護の機会を与えないで没収することが違憲ではないかが争われた。

付加刑:独立して科すことができる主刑に対する用語で、主刑に付加してのみ科することができる刑罰。

結論

違憲

判旨

①第三者余裕物の没収の合憲性

第三者の所有物の没収は、被告人に対する付加刑として言い渡され、その刑事処分の効果が第三者に及ぶものであるから、所有物を没収される第三者についても、告知・弁解・防御の機会を与えることが必要であって、これなくして第三者の所有物を没収することは、適正な法律手続によらないで、財産権を侵害する制裁を科すことにほかならない。

②当事者適格

没収の言い渡しを受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、被告人に対する付加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは当然である。

また、被告人としても、その物の占有権をはく奪され、これを使用・収益できない状態におかれ、所有権をはく奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告により救済を求めることができるものと解すべきである。

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