記事一覧
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【重要】最判平10.4.10:再入国不許可処分と要件裁量
事案 協定永住資格を取得した外国人が、出入国管理及び難民認定法に基づく再入国許可申請をしたところ、指紋押捺を拒否したことを理由として法務大臣により不許可処分がなされたため、慰謝料の支払いを求める国家賠償請求訴訟を提起した。そこで、再入国不... -
【重要】最判昭52.12.20:神戸税関事件
事案 神戸税関職員は、同僚職員に対する懲戒処分について抗議行動や各種の組合活動において指導的役割を果たして業務の処理を妨げたとして、国家公務員法に基づき懲戒免職処分を受けたため、本件処分の無効確認訴訟および取消訴訟を提起した。 結論 請求棄... -
【重要】最判昭63.6.17:行政行為の撤回と法律の根拠
事案 人工妊娠中絶を行う得る医師としての指定を受けていた産婦人科医が、実子あっせん行為を繰り返していたため、当該指定を撤回された。 そこで、産婦人科医が、指定の撤回処分の取消しを求めて訴訟を提起した。 結論 指定の撤回は適法である。 判旨 指... -
【重要】最判平21.12.17:安全認定と違法性の承継
事案 建設業者が、特別区の区長から安全認定を、建築主事から建築確認をそれぞれ受け、建物の建築を開始した。そこで、当該建物の周辺住民が、当該建築確認の取消訴訟を提起したが、この訴訟では、建築確認自体の違法性ではなく、安全認定の違法性が主張さ... -
判例 – TOP
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行政法3:行政作用の類型
行政法TOP 解説記事一覧 判例一覧 行政作用とは? 行政作用とは、国や地方公共団体などの行政主体が、一定の行政目的を実現するために、国民に対して行う行為です。 行政作用には、特定の人を対象とするものと、不特定の人を対象とするものがあります。ま... -
【重要】最判平18.2.7:呉市学校施設使用不許可事件
事案 広島県の公立小中学校等に勤務する教職員によって組織された職員団体が、その主催する広島県教育研究集会の会場として、呉市立中学校の体育館等の学校施設の使用を申し出たところ、呉市教育委員会から使用不許可処分を受けたため、これが違法であると... -
【重要】最判平9.12.18:道路の通行妨害の禁止を求める権利
事案 市長から道路位置指定1を受けた土地の所有者が、周辺住民に対して通行を禁止する旨のビラをまいたり、その土地に簡易ゲートを設置したりしたため、周辺住民が、土地の通行妨害の排除を求めて訴訟を提起した。 結論 妨害排除請求は認められる。 判旨 ... -
【重要】最判昭51.12.24:公物の取得時効
事案 国から土地の売渡しを受けた者が、その土地の一部が公図上は水路として表示されている国有地であったとしても、売渡しから10年が経過した時点で取得時効が成立したとして、所有権確認訴訟を提起した。 結論 所有権は認められる。 判旨 公共用財産が、... -
行政法2:行政組織法
行政法TOP 解説記事一覧 判例一覧 行政主体と行政機関 行政主体 行政主体とは、行政活動を行う権利と義務を持ち、自己の名と責任において行政活動を行う法人のことを指します。行政主体には、国や地方公共団体(統治団体)と、それ以外の行政主体の二つの... -
民法9:「所有権」とは?権利の性質から共有物まで詳しく解説
所有権の内容 所有権は、法令の制限内で、その物の使用、収益、処分を自由に行う権利です(第206条)。また、土地の所有権は、その土地の上下にまで及びます(第207条)。 相隣関係 土地は通常、他の土地と隣接しているため、その利用は避けられず近隣の土... -
【重要】最判昭62.10.30:租税関係と信義則
事案 酒類販売業を営んでいた者が、税務署長の承認を得ないまま事業所得につき青色申告1を行い、税務署長から更正処分2を受けたため、これを不服として当該更正処分の取消訴訟を提起した。 結論 請求棄却 判旨 租税法規に適合する課税処分について、法の一...