記事一覧
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【重要】最大判昭56.12.16:大阪空港公害訴訟
事案 大阪国際空港の騒音公害が深刻化したため、周辺住民は、国に対して国家賠償請求訴訟を提起した。 結論 国家賠償請求は認められる。 判旨 国家賠償法2条1項の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいうが、そこ... -
【重要】最判平2.12.13:多摩川水害訴訟
事案 改修工事完成区間とされていた多摩川の一部が決壊し、周辺住民の住宅が失われる災害が発生した。そこで、周辺住民は、多摩川の管理者である国に対して、国家賠償請求訴訟を提起した。 結論 国家賠償請求は認められる。 判旨 河川は、当初から通常有す... -
【重要】最判昭59.1.26:大東水害訴訟
事案 大阪府大東市を流れる河川の改修工事が未完成であったところ、この河川が決壊し、周辺住民の住宅が床上浸水した。そこで、周辺住民は、河川管理者である国、費用負担者である大阪府、排水管理者である大東市に対して、国家賠償請求訴訟を提起した。 ... -
【重要】最判昭50.7.25:故障車の放置
事案 道路上に故障車が放置されていたが、道路管理者は道路を常時巡視しておらずこの事実を知らなかったところ、故障者の放置から87時間後に原動機付自転車が故障者に衝突し、原動機付自転車の運転手が死亡した。 そこで、運転手の遺族が、道路管理者には... -
【重要】最判昭50.6.26:転倒した赤色灯標柱の放置
事案 工事中の県道において工事個所を表示するため赤色灯標柱が設置されたが、同所を通行した自動車によりこの赤色灯標柱が倒され、その直後に同所を通行した自動車が事故を起こし、同乗者が死亡した。そこで、同乗者の遺族が、県には道路管理の瑕疵があっ... -
【重要】最判昭45.8.20:高知落石事件
事案 国道56号線の一部区間では、しばしば落石や崩土があり、道路管理者である国は「落石注意」等の標識を立てたりして通行者に注意を促していたが、落石によりトラックの助手席に乗っていた青年が死亡した。そこで、遺族らが、国に対して、国家賠償請求訴... -
【重要】最判平22.6.3:課税処分の取消訴訟と国家賠償請求訴訟の関係
事案 固定資産税の納税者が、固定資産の価格を課題に決定されたと主張し、課税処分の取消訴訟等の手続を経ることなく、国家賠償法1条1項に基づき、固定資産税の過納金相当額の国家賠償請求訴訟を提起した。 結論 国家賠償請求は認められる。 判旨 公務員が... -
【重要】最判平5.3.11:税務署長による所得税更正処分の違法性
事案 税務署長が所得税更正処分をなしたため、当該処分の名あて人が、当該処分の取消訴訟を提起し、当該処分の一部を取り消す判決が確定した。 そこで、当該処分の名あて人が、税務署長の行った所得税更正処分により被った営業損害および慰謝料等について... -
【重要】最判昭61.2.27:パトカーによる追跡行為の違法性
事案 警察官が速度違反をして逃走中の乗用車をパトカーで追跡したところ、その乗用車が衝突事故を起こしたため、衝突事故の被害者が、パトカーによる追跡行為は違法であるとして、国家賠償請求訴訟を提起した。 結論 国家賠償請求は認められない。 判旨 警... -
【重要】最判昭57.3.12:裁判官がした争訟の裁判の違法性
事案 裁判で敗訴した当事者が、判決を行った裁判官が本来適用されるべき法律を適用せずに自分を敗訴させたことは違法であるとして、国家賠償請求訴訟を提起した。 結論 国家賠償請求は認められない。 判旨 裁判官がした争訟の裁判に上訴等の訴訟法上の救済... -
行政法22:損失補償
行政法TOP 解説記事一覧 判例一覧 損失補償とは? 損失補償とは、国または公共団体の適法な活動によって私人が受けた特別の犠牲に対する補償。 この「特別の犠牲」に該当するか否かは、規制または侵害の態様・程度・内容・目的等を総合的に考慮して判断さ... -
行政法21:国家賠償法
行政法TOP 解説記事一覧 判例一覧 国家賠償法の全体像 国家賠償制度成立の経緯 大日本帝国憲法の下では、国家は過ちを犯さないと考えられており、国や公共団体の違法な行為により損害が発生したとしても、国民は損害賠償請求をすることができないとされて...