憲法判例– tag –
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【重要】最判昭50.11.28:国労広島地本事件
事案 労働組合は、脱退した旧組合員らに対し、未納の臨時組合費の支払いを請求した。そこで、旧組合員らは、この臨時組合費には、安保反対闘争に参加して処分を受けた組合員の救援資金が含まれており、労働組合の政治的活動に関係するものであるから、納付... -
【重要】最大判昭43.12.4:三井美唄事件
事案 労働組合は、市議会議員選挙において、統一候補を擁立することを決定し、これに対抗して立候補しようとした組合員に対して立候補を断念するよう説得したが、この組合員がこれに応じなかったため、組合員としての権利を1年間停止する処分をした。 そこ... -
【重要】最大判昭51.5.21:旭川学テ事件
事案 文部省(現文部科学省)の実施した全国一斉学力テスト(学テ)に反対する教師が、学テの実施を阻止しようとして公務執行妨害罪等で起訴され、裁判の過程で、文部省による学テの実施が憲法26条に反しないかが争われた。 結論 合憲 判旨 ①子どもの学習... -
【重要】最大判昭57.7.7:堀木訴訟
事案 (旧)障害福祉年金と児童扶養手当との併給を禁止することが違憲ではないかが争われた。 結論 合憲 判旨 ①憲法25条1項・2項の意義 憲法25条1項は、国が個々の国民に対して具体的・現実的にこのような義務を負っていることを規定したものではなく、同... -
【重要】最大判昭42.5.24:朝日訴訟
事案 朝日氏が受領していた生活扶助が健康で文化的な最低限度の生活水準を維持するに足りるかどうかが争われた 結論 訴えの却下 判旨 ①生存権の法的性格 25条の規定は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを... -
【重要】最大判昭47.11.22:川﨑民商事件
事案 旧所得税法上の質問検査権に基づく調査を拒否して起訴された被告人が、質問検査は令状主義および黙秘権の保障に反するとして争った。 結論 合憲。 判旨 ①令状主義 憲法35条1項の規定は、本来、主として刑事責任追及の手続における強制について、それ... -
【重要】最大判昭37.5.30:条例による刑罰
事案 大阪市の「街路等における売春勧誘行為等の取締条例」に違反した者が、この条例は憲法31条に違反するとして争った。 結論 合憲。 判旨 条例は、法律以下の法令といっても、公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治立... -
【重要】最大判平4.7.1:成田新法事件
事案 「多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用に供され又は供されるおそれがある工作物」の使用を運輸大臣(現国土交通大臣)が禁止することができる旨を定める特別立法(いわゆる成田新法)の合憲性が争われた。 結論 合憲。 判旨 行政手続きについては、... -
【重要】最大判昭37.11.28:第三者所有物没収事件
事案 貨物の密輸を企てた被告人が有罪判決を受けた際に、その付加刑として密輸した貨物の没収判決を受けたが、この貨物には被告人以外の第三者の所有する貨物が混じっていた。 そこで、所有物である第三者に事前に財産権擁護の機会を与えないで没収するこ... -
【重要】最大判昭38.6.26:奈良県ため池条例事件
事案 奈良県では、ため池の破損・決壊等による災害を未然に防止するため、ため池の堤とうに農作物を植える行為等を禁止する条例が制定されたが、以前から堤とうを耕作してきた被告人が条例制定後も耕作を続けたため条例違反で起訴された。そこで、条例によ... -
【重要】最大判昭62.4.22:森林法共有林事件
事案 持分価額2分の1以下の共有者からの分割請求を禁止した(旧)森林法の規定は、憲法29条2項に違反しないかが争われた。 結論 違憲。 判旨 森林法による分割請求権の制限は、立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれも肯定することのできない... -
【重要】最判平4.12.15:酒類販売免許制事件
事案 公衆浴場開設許可の距離制限規定は、憲法22条1項に違反しないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的のための職業の許可制による規制については、著しく不合理なものでない限り、これを憲法22条1項...