憲法判例– tag –
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【重要】最判平1.12.21:公正な論評の法理
事案 公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民が教員を厳しく批判するビラを配布したため、このビラ配布行為が名誉棄損に当たり違法ではないかが争われた。 結論 適法。 判旨 公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、も... -
【重要】最大判平1.3.8:レペタ事件
事案 アメリカ人弁護士のレペタは、裁判を傍聴した際に、傍聴席でのメモ採取を希望し許可申請を行ったが認められなかったため、この措置は憲法21条および憲法82条1項に違反するのではないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ①情報を摂取する自由 憲法21条1項... -
【重要】最決昭53.5.31:外務省秘密電文漏洩事件
事案 外務省の極秘電文を新聞記者が外務省の女性事務官から入手して横流ししたため、この新聞記者が秘密漏示そそのかし罪に問われた。1 結論 秘密漏示そそのかし罪が成立する。 判旨 報道機関が取材の目的で公務員に対し秘密を漏示するようにそそのかした... -
【重要】最大決昭44.11.26:博多駅事件
事案 米原子力空母寄港反対闘争に参加した学生と機動隊員とが博多駅付近で衝突し、機動隊側に過剰警備があったとして付審判請求※がなされたため、裁判所がテレビ放送会社に衝突の様子を撮影したテレビフィルムを証拠として提出することを命じた。そこで、... -
【重要】最判昭62.4.24:サンケイ新聞事件
事案 自民党がサンケイ新聞に掲載した意見広告が共産党の名誉を毀損したとして、共産党が同じスペースの反論文を無料かつ無修正で掲載することを要求した。 結論 反論文掲載請求権は認められない。 判旨 日刊全国紙による情報の提供が一般国民に対し強い影... -
【重要】最大判令3.2.24:孔子廟政教分離訴訟
事案 市が管理する都市公園内に儒教の祖である孔子等を祀った施設の設置を許可した上、敷地の使用料の全額を免除した市長の行為は、憲法の定める政教分離原則に違反するのではないかが争われた。 結論 違憲 判旨 敷地の使用料の全額免除は、施設の観光資源... -
【重要】最大判平9.4.2:愛媛県玉串料事件
事案 愛媛県が靖国神社などに対して玉串料等の名目で公金を支出したことが、憲法20条3項、89条に違反しないかが争われた。 結論 違憲 判旨 県が玉串料等を靖国神社等に奉納したことは、その目的が宗教的意義を持つことを免れず、その効果が特定の宗教に対... -
【重要】最大判昭52.7.13:津地鎮祭事件
事案 三重県津市が、市体育館の建設に当たり、神式の地鎮祭を挙行し、それに公金を支出したことが、憲法20条、89条に違反しないかが争われた。 結論 合憲 判旨 ①政教分離原則の法的性質 政教分離規定は、いわゆる制度的保障1の規定であって、信教の自由そ... -
【重要】最大判平22.1.20:空知太神社訴訟(そらちぶとじんじゃ)
事案 市が町内会に対してその所有する土地を神社施設の敷地として無償で使用させていたため、市の行為は憲法の定める政教分離原則に違反するのではないかが争われた。 結論 違憲 判旨 市が、町内会に対し、市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供し... -
【重要】裁決平8.1.30:オウム真理教解散命令事件
事案 宗教法人法81条にいう「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」および「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」を行ったとして、宗教法人オウム真理教の解散命令が請求されたため、この解散命令が憲法20条1項に違反する... -
【重要】最判平23.5.30:国歌起立斉唱行為の拒否
事案 都立高等学校の教諭が、卒業式において国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に従わなかったところ、これが職務命令違反に当たることを理由に、定年退職後の非常勤職員の採用選考において不合格とされた。そこで、このよ... -
【重要】最判昭63.7.15:麹町中学内申書事件
事案 高校進学希望の生徒が、その内申書に政治活動を行った旨の記載があったことなどが理由で、受験したすべての入試に不合格となったとして、内申書の記載が憲法19条に違反すると争った。 結論 合憲 判旨 内申書の記載は、生徒の思想・信条そのものを記載...