憲法判例– tag –
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【重要判例】最大判平20.6.4:婚外子国籍訴訟
事案 日本国民である父と外国人である母の間に生まれた非嫡出子について、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した者に限り日本国籍の取得を認めることは、憲法14条1項に違反しないかが争われた。 結論 違憲。 判旨 ①国籍取得の際の取扱いの区別が憲法14... -
【重要判例】最大判昭48.4.4:尊属殺重罰規定違憲判決
事案 刑法200条(平成7年の刑法改正により削除)が普通殺人に比べて尊属殺に対して重罰を科していたことが、憲法14条1項に違反しないかが争われた。 尊属殺:血縁者のうち自分より世代が上の者(父母・祖父母など)に対する殺人罪 結論 違憲。 判旨 ①立法... -
【重要判例】最大判平27.12.16:女性の再婚禁止期間
事案 女性について6カ月の再婚禁止期間を設けていた当時の民法733条1項の規定が憲法14条1項に違反しないかが争われた。 ※この判例を受けて平成28年の民法改正により、再婚禁止期間が6カ月から100日に短縮されたが、その後の令和4年の改正により、再婚禁止... -
【重要判例】最判平12.2.29:エホバの証人輸血拒否事件
事案 エホバの証人の信者が自己の意思に反して輸血をされたため、輸血をした医師に対して、自己決定権の侵害を理由に損害賠償を求めて争った。 結論 損害賠償請求は認められる。 判旨 患者が、輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして、輸血を... -
【重要判例】最判平20.3.6:住基ネット訴訟
事案 行政機関が住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)により個人情報を収集・管理・利用することは、憲法13条の保障するプライバシー権その他の人格権を違法に侵害するものではないかが争われた。※住基ネット訴訟の最高裁判所判決は、自己に関... -
【重要判例】最判平15.9.12:早稲田大学講演会参加者名簿提出事件
事案 早稲田大学が、外国国家主席の講演会を開催するのに先立ち、参加者の学生番号・氏名・住所・電話番号を記入した名簿の写しを警察に提出したため、参加者がプライバシー侵害を理由に損害賠償請求訴訟を提起した。 結論 損害賠償請求は認められる。 判... -
【重要判例】最判平7.12.15:指紋押捺拒否事件
事案 外国人等朗報により外国人登録原票などへの指紋押捺を義務付けられたことが、憲法13条に違反しないかが争われた。※この制度は、平成11年の外国人登録法改正により廃止され、平成24年には外国人登録法自体も廃止されている。 結論 合憲。 判旨 ①指紋と... -
【重要判例】最判平6.2.8:ノンフィクション「逆転」事件
事案 ノンフィクション小説「逆転」で実名を掲載され前科を公表された者が、その作者に対して、プライバシー侵害を理由に損害賠償を求めて争った。 結論 損害賠償請求は認められる。 判旨 ①実名掲載の可否 ある者の前科等にかかわる事実は、刑事事件・刑事... -
【重要判例】最判昭56.4.14:前科照会事件
事案 弁護士が区役所に対して前科および犯罪経歴を照会し、区役所がこれに応じたため、前科および犯罪経歴を公開された者が、プライバシー侵害を理由に損害賠償を求めて争った。 結論 損害賠償請求は認められる。 判旨 前科等(前科・犯罪経歴)は、人の名... -
【重要判例】最大判昭44.12.24:京都府学連事件
事案 デモ行進に際し警察官が犯罪捜査のために行った写真撮影が、憲法13条に違反しないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ①容ぼう等を撮影されない自由 何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう等(容ぼう・姿態)を撮影されない自由を有するから、警察... -
【重要判例】最判昭56.3.24:日産自動車事件
事案 企業における定年年齢を男子60歳、女子55歳とした男女別定年制が、法の下の平等に反しないかが争われた。 結論 法の下の平等に反する(間接適用説)。 判旨 就業規則中、女子の定年年齢を男子より低く定めた部分は、専ら女子であることのみを理由とし... -
【重要判例】最判昭49.7.19:昭和女子大事件
事案 無届で法案反対の署名活動を行ったり、許可を得ないで学外の政治団体に加入したりした行為が、学則の具体的な細則である生活要録に違反するとして、学生が退学処分を受けた。そこで、この学生が、退学処分が憲法19条に違反することを理由に学生たる地...