会社法5-1:「会計帳簿」とは?作成・保存義務や閲覧請求のルールをやさしく解説

🔰この記事はこんな人におすすめ!
  • 「会計帳簿って何?」という初学者の方
  • 株式会社の帳簿に関する会社法のルールを理解したい方
  • 少数株主の権利(閲覧・謄写請求)について知りたい方
  • 行政書士試験の会社法対策を進めたい方
目次

会計帳簿とは?意味をわかりやすく解説

会計帳簿とは、会社が日々の取引や財産の内容を記録するための帳簿のことです。
具体的には、一定の期間(例:損益計算書)や時点(例:貸借対照表)での会社の財産の状況や価値、また財産に影響を与える取引などを記録します。

つまり、会社のお金や資産の流れを正確に把握するための基本資料となるものです。

会計帳簿の作成義務と保存期間(会社法第423条)

株式会社は、会社法により以下のような義務を負っています。

🔹 作成義務

株式会社は、法務省令で定められた方法に従い、適時に正確な会計帳簿を作成しなければならないとされています(423条1項)。

これは、会社の財務状況を正確に把握し、株主や債権者に対して責任ある経営を行うためです。

🔹 保存義務

作成した会計帳簿や、それに関連する重要な資料については、帳簿を閉じた時点から10年間保存する義務があります(423条2項)。

会計帳簿の閲覧・謄写請求(会社法第433条)

会社の内部情報を知るために、株主が会計帳簿を閲覧したり写し(謄写)を請求できる権利があります。

🔸 誰が請求できる?

次のいずれかに該当する少数株主が対象です。

  • 発行済株式の 100分の3以上(=3%)以上 を持っている株主
  • 総株主の議決権の 100分の3以上(=3%)以上 を持っている株主

このような株主は、会社の営業時間内であればいつでも、会計帳簿の閲覧や謄写を請求することができます(433条1項)。

🔸 なぜ少数株主に限定されているの?

この権利は、「会社の財務状況を把握して、経営が適切に行われているかをチェックする」という監督機能(監督是正権を適切に行使するための情報)を果たします。

しかし、誰でも自由に帳簿を見られるようにしてしまうと、会社の機密情報が漏れるリスクがあります。
そのため、権利行使できるのは一定割合の株式を持つ少数株主に限定されているのです。

✅まとめ:行政書士試験のポイント

ポイント内容
会計帳簿とは?財産や取引を記録する帳簿
作成義務正確に・適時に作成(423条1項)
保存義務閉鎖から10年間保存(423条2項)
閲覧・謄写請求3%以上の株主が請求可(433条1項)
少数株主権の理由会社の監督機能と情報保護のバランス
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