会社法7-6:「株式交付」とは?仕組み・手続・無効の訴えまでやさしく解説!

この記事はこんな人におすすめ
  • 「株式交付って株式交換とどう違うの?」と疑問を持っている方
  • 会社法の改正ポイントをしっかり押さえておきたい方
  • 行政書士試験の会社法分野で得点源を増やしたい方
目次

株式交付とは?かんたんに言うと…

株式交付とは、ある株式会社(A社)が、他の株式会社(B社)を子会社にするために、B社の株式をもらい、その代わりに自社の株式(A社の株式)を渡す手続きのことです(2条32号の2)。

つまり、「自社の株式をあげる代わりに、相手会社の株式をもらう」という交換が行われ、その結果、相手会社を子会社にできます。

なぜ新しく「株式交付」ができたの?

別の手段として子会社化の手段として「株式交換」がありましたが、これは相手会社(B社)の発行済株式をすべて取得しなければなりませんでした。

つまり、「一部だけ取得して子会社にする」という柔軟な方法がなかったのです。

そこで、令和元年の会社法改正によって、新しく「株式交付」という仕組みが導入されました。
これにより、全部ではなく一部の株式取得でも、子会社化が可能になりました。

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config:
  theme: neutral
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flowchart TB
 A["A社<br>(株式交付親会社)"] -->|A社株式| B社株主["B社株主"] 
B社株主 -->|B社株式| A
B1["B社<br>(株式交付子会社)"] --> B社株主

株式交付の手続き

株式交付親会社を行う会社(=親会社となるA社)には、合併と同じような手続きが必要です。
たとえば、株主総会の特別決議などが必要になります。

一方で、株式を渡す側の会社(=子会社になるB社)には、特別な手続きは求められていません。

株式交付の効力が発生するタイミング

株式交付の効力が発生する日(効力発生日には、以下のようなことが起きたとみなされます。

  • 親会社(A社)は、子会社(B社)の株式を取得したことになる(774条の11第1項)。
  • 子会社の株式を渡した人(譲渡人)は、親会社(A社)の株主となる(774条の11第2項)。

株式交付無効の訴え

株式交付についても、合併と同様に、訴えをもってのみ無効を主張することができる(828条1項13号)。

まとめ

項目内容
株式交付とは?自社株を渡して、相手会社の株をもらい、子会社化する仕組み
創設の背景株式交換では「全株取得」が必要だったため、柔軟な手段として新設
手続親会社に合併と同様の手続が必要/子会社側に特別な手続は不要
効力発生日親会社はB社株を取得、譲渡人はA社株主になる(774条の11)
無効の訴え訴訟によって無効を主張できる(828条1項13号)
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