目次
事案
小田急小田原線の一定区間の連続立体交差化を内容とする都市計画事業認可がなされたため、事業地の周辺住民が、当該都市計画事業認可の取消訴訟を提起した。
そこで、事業地の周辺住民について、取消訴訟の原告適格が認められるかが争われた。
結論

騒音・振動等による健康または生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者については、原告適格が認められる。
判旨
都市計画法は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るなどの公益的見地から都市計画施設の整備に関する事業を規制するとともに、騒音・振動等によって健康または生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民に対して、そのような被害を受けないという利益を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。
したがって、都市計画事業の事業地の周辺に居住する住民のうち当該事業が実施されることにより騒音・振動等による健康または生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該事業の認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟における原告適格を有するものといわなければならない。