記事一覧
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【重要】最大判昭38.5.22:ポポロ事件
事案 東大の学生団体「ポポロ劇団」主宰の演劇発表会の観客の中に私服警官がいることを学生が発見し、その警察官に対して暴行を加えたところ、暴力行為等処罰に関する法律違反で起訴された。 そこで、私服警官の潜入が大学の自治に反するのではないかが争... -
【重要】最判平20.4.11:集合住宅でのビラ配布行為の可否
事案 防衛庁(当時)の職員及びその家族が住む集合住宅に無断で立ち入り、「自衛隊のイラク派兵反対」などと書かれたビラを配布した者が、住居侵入罪で起訴された。 そこで、ビラ配布行為について住居侵入罪で起訴することは、憲法21条1項に違反するのでは... -
【重要】最大判昭50.9.10:徳島市公安条例事件
事案 徳島市公安条例の定める「交通秩序を維持すること」という許可条件は不明確であり31条に違反しないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ある刑罰法規があいまい不明確のゆえに憲法31条に違反するものと認めるべきかどうかは、通常の判断能力を有する一般... -
【重要】最判平5.3.16:第1次家永教科書事件
事案 小・中・高等学校の教科書は、文部大臣(当時)の検定に合格しなければ教科書として使用できないとする教科書検定の制度が、事前抑制や検閲に当たり違憲ではないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 教科書検定は、一般図書としての発行を何ら妨げるもの... -
【重要】最大判昭61.6.11:北方ジャーナル事件
事案 北海道知事選に立候補予定の者を批判・攻撃する記事を掲載した雑誌が、発表前に名誉棄損を理由に差し止められた。 そこで、裁判所の仮処分による事前差止めが、21条に違反しないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ①裁判所による事前差止めの検閲該当性... -
【重要】最大判昭59.12.12:税関検査事件
事案 税関当局が書籍等の納入にあたってその内容を検査する税関検査の制度が検閲に当たり違憲ではないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ①検閲の意義 憲法21条2項にいう「検閲」とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部または... -
【重要】最大判昭35.7.20:東京都公安条例事件
事案 東京都公安委員会の許可を受けずに集団更新を指導した者が、東京都公安条例違反で起訴されたため、この公安条例の合憲性が争われた。 結論 合憲。 判旨 地方公共団体が、純粋な意味における表現といえる出版等についての事前規制である検閲が21条2項... -
【重要】最判平7.3.7:泉佐野市民会館事件
事案 市長が市民会館の使用許可の申請を市民会館条例の規定に基づき不許可処分としたため、この処分が集会の自由を侵害して違憲ではないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ①二重の基準の法理 集会の自由の制約は、基本的人権のうち精神的自由を制約するもの... -
【重要】最大判昭28.12.23:皇居前広場事件
事案 メーデー記念集会のため皇居前広場の使用を申請したところ、これを拒否されたため、この拒否処分の合憲性が争われた。 結論 合憲。 判旨 公共用財産である皇居外苑の利用不許可処分は、表現の自由または団体行動権自体を制限することを目的としたもの... -
【重要】最判平1.12.21:公正な論評の法理
事案 公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民が教員を厳しく批判するビラを配布したため、このビラ配布行為が名誉棄損に当たり違法ではないかが争われた。 結論 適法。 判旨 公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、も... -
【重要】最大判平1.3.8:レペタ事件
事案 アメリカ人弁護士のレペタは、裁判を傍聴した際に、傍聴席でのメモ採取を希望し許可申請を行ったが認められなかったため、この措置は憲法21条および憲法82条1項に違反するのではないかが争われた。 結論 合憲。 判旨 ①情報を摂取する自由 憲法21条1項... -
【重要】最決昭53.5.31:外務省秘密電文漏洩事件
事案 外務省の極秘電文を新聞記者が外務省の女性事務官から入手して横流ししたため、この新聞記者が秘密漏示そそのかし罪に問われた。1 結論 秘密漏示そそのかし罪が成立する。 判旨 報道機関が取材の目的で公務員に対し秘密を漏示するようにそそのかした...