【重要】最判平21.12.17:安全認定と違法性の承継

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事案

建設業者が、特別区の区長から安全認定を、建築主事から建築確認をそれぞれ受け、建物の建築を開始した。そこで、当該建物の周辺住民が、当該建築確認の取消訴訟を提起したが、この訴訟では、建築確認自体の違法性ではなく、安全認定の違法性が主張された。

結論

建築確認の取消訴訟において安全認定の違法性を主張することは許される。

判旨

  1. 安全認定と建築確認の関係
    建築確認における接道要件充足の有無の判断と、安全認定における安全上の支障の有無の判定は、避難または通行の安全の確保という同一の目的を達成するために行われるものである。
    そして、安全認定は、建築主に対し建築確認申請手続における一定の地位を与えるものであり、建築確認と結合して初めてその効果を発揮するものである。

  2. 安全認定を争おうとする者の手続的保障の有無
    安全認定があっても、これを申請者以外の者に通知することは予定されておらず、建築確認があるまでは工事が行われることもないから、周辺住民等これを争おうとする者がその存在を速やかに知ることができるとは限らない。
    そうすると、安全認定について、その適否を争うための手続的保障がこれを争おうとする物に十分に与えられているというのは困難である。

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