目次
時間による適用範囲
発生時期
法は公布1され、かつ施行2された日(施行期日)から国民に対する効力を生じる。
法令は、その附則において、施行期日を規定していることが通例。3
公布される日 | 施行される日 | |
法律 | 30日以内に交付しなければならない(国会法66条) | 奏上の日から施行期日の定めがあるときを除き、公布の日から起算して20日を経過した日から施行される(法の適用に関する通則法2条) |
条例 | 再議その他の措置を講じた場合を除き、条例の送付を受けた日から20日以内にこれを公布しなければならない(地方自治法16条2項) | 特別の定めがあるものを除き、公布の日から起算して10日を経過した日から施行される(地方自治法16条3項) |
失効時期
法は、原則として、改廃されるまで効力を乗じる。
ただし、有効期間が限定されている時限法の場合、その期間が経過すると失効する。
遡及適用
法は、原則として遡及して適用できない。したがって、法に規定された罰則が、施行期日前の事実につき行為者に不利に適用されることはない。45
ただし、適用される者にとって有利な場合には、遡及適用が認められる。
場所による適用範囲
属地主義の原則
日本の法令は、原則として日本の領域内にいるすべての人に対して効力を有する(属地主義)67
属地主義の例外
- 属人主義
属人主義とは、その人の属する国の法令が、その人が国内にいるか国外にいるかを問わず適用されるというルール。8 - 保護主義
保護主義とは、国益を保護するため、その人の国籍や、その人が国内にいるか国外にいるかを問わず、法令を適用するルール。9 - 旗国主義
日本に属する船舶・航空機内では、外国の領域内や公開においても日本の法令が効力を有することがある(刑法1条2項)。 - 治外法権
外国の外交使節等の治外法権は、属地主義の例外。 - 地方自治特別法
地域の特性に鑑み、特別の地域に限って規制を行ったり、規制の特例措置をとったりする地方自治特別法も認められている。
- 公布:成立した法令を国民一般に周知させる目的で公示する行為のこと。慣行として官報によることとされている。 ↩︎
- 施行:法律の効力を現実に発生させること ↩︎
- 参考:施行期日の定めにより、公布日から施行されることもある。 ↩︎
- 法令に違反する行為に対して、その法令の執行前に違反行為が行われた場合、その法令の失効後においても処罰を行う事ができる。 ↩︎
- 参考:法律の廃止に当たって、廃止前の違法行為に対し罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許される。 ↩︎
- 具体例:外国人が日本で窃盗罪を行った場合、日本の刑法が適用される(刑法1条1項) ↩︎
- 参考:渉外的な要素が含まれる事件については、わが国の裁判所が外国の法令を準拠法として裁判を行うことがある。(法の適用に関する通則法36条、38条)
他方、外国の裁判所がわが国の法令を準拠法として裁判をおこなうこともある。(法の適用に関する通則法41条本文) ↩︎ - 具体例:日本人が国外で殺人罪などの重大犯罪を行った場合、日本の刑法が適用される。(刑法3条) ↩︎
- 具体例:外国人が日本国外において内乱罪や通貨偽造罪などの日本の国益を害する犯罪を行った場合、日本の刑法が適用される。(刑法2条) ↩︎