【重要】最判平21.11.26:特定の保育所を廃止する条例の制定の処分性

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事案

市が設置する保育所を廃止する条例を制定したことについて、当該保育所で保育を受けていた児童の保護者が、当該条例の制定行為は保育所において保育を受ける権利を違法に侵害するものであると主張して、その取消訴訟を提起した。

そこで、当該条例の制定行為に処分性が認められるかが争われた。

結論

処分性が認められる。1

判旨

本件改正条例は、本件各保育所の廃止のみを内容とするものであって、他に行政庁の処分を待つことなく、その施行により各保育所は意思の効果を発生させ、当該保育所に現に入所中の児童及びその保護者という限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得る法的地位を奪う結果を生じさせるものであるから、その制定行為は、行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができる。

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  1. 参考:この判例は、特定の保育所を廃止する条例の制定について処分性をみとめつつも、訴えの利益は当該保育所で保育を受けていた原告ら児童の保育の実施機関が満了した場合には消滅すると判示し、訴えを却下した。 ↩︎
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