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事案
道路交通法所定の違反行為があったとして、優良運転者である旨の記載のない運転免許証を交付されて更新処分を受けた者が、違反行為を否認し、当該更新処分および当該更新処分についての異議申し立てに対する棄却決定の取消訴訟、優良運転者である旨の記載のある運転免許証を交付して行う更新処分の義務付け訴訟を提起した。
そこで、更新処分を受けた者に訴えの利益が認められるかが争われた。
結論

訴えの利益は認められる。
判旨
道路交通法は、優良運転者に対し更新手続上の優遇措置を講じており、客観的に優良運転者の要件を満たす者に対しては優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して更新処分を行うということを、単なる事実上の措置にとどめず、その者の法律上の地位として保障するとの立法政策を採用したものと解するのが相当である。
したがって、一般運転者として扱われ、優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は、当該法律上の地位を否定されたことを理由として、これを回復するため、当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有する。