民法30-1:配偶者居住権

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配偶者居住権

配偶者居住権とは?

配偶者が死亡した場合、生存配偶者は、居住建物(高額なことが多い)を相続すると預貯金を相続できず生活資金に困り、預貯金を相続すると居住建物を相続できず引っ越しを余儀なくされるという事態に陥っていた。

そこで、住み慣れた居住建物で生活を継続できるよう居住権(住居そのものより低額)を設定しつつ、その後の生活資金として預貯金も一定程度確保できるように、配偶者居住権の制度が新設された。

配偶者居住権の要件

配偶者居住権の要件は、以下の4つ(1028条)。

  • 被相続人の配偶者であること
  • 被相続人の財産に属した建物であること
  • 相続開始の時に居住していたこと
  • 遺産分割または遺贈によって配偶者居住権を取得するものとされたこと

配偶者居住権の効果

配偶者は、居住していた建物の全部について、無償で、使用収益する権利を有する(1028条1項本文)。

配偶者短期居住権

配偶者短期居住権とは?

高齢化の進展に伴い、配偶者の一方が死亡した場合に生存配偶者が高齢であることが多く、住み慣れた居住建物を離れて新たな生活を開始することが大きな負担となった。

そこで、一定期間住み慣れた居住建物で生活できるように、配偶者短期居住権の制度が新設された。

配偶者短期居住権の要件

配偶者短期居住権の要件は、以下の3つ(1037条)。

  • 被相続人の配偶者であること
  • 被相続人の財産に属した建物であること
  • 相続開始の時に無償で居住していたこと

配偶者短期居住権の効果

配偶者は、①居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産分割をすべき場合は、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日または相続開始の時から6カ月を経過する日のいずれか遅い日、②それ以外の場合は、消滅の申し入れの日から6カ月を経過するまでの間、居住縦鋳物を無償で使用することができる。(1037条1項本文1号・2号)。

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