✅この記事はこんな人におすすめ!
- 相続人ではないけれど、長年介護や世話をしてきた親族がいるケースを知りたい方
- 行政書士試験で民法の“相続分野”をしっかり得点源にしたい方
目次
💡特別の寄与とは?相続人以外の親族にも認められる寄与分制度
これまでの相続制度では、例えば「長年親の介護をしてきた子の配偶者(つまり相続人ではない親族)」のように、実際に多くの貢献をしてきた人が遺産を一切受け取れないケースがありました。
これはどう考えても不公平ですよね。
このような不公平を解消するために、2019年(令和元年)7月1日から施行された改正民法により、「特別の寄与」という制度が新しく導入されました。
特別の寄与が認められる条件は?
特別の寄与とは、次のような場合を指します。
- 相続人ではない親族(たとえば子の配偶者など)が
- 被相続人(亡くなった人)に無償で療養看護やその他の労務を提供し
- その結果、被相続人の財産の維持や増加に貢献した
このような状況に該当する場合には、「特別寄与料」として、相続人に対して金銭の支払いを請求できるとされています(1050条1項)。
具体例でイメージしよう
たとえば、長男の妻が義父(被相続人)の介護を10年以上にわたり無償で行っていた場合、本来は相続人ではないこの妻は相続に関与できません。
しかし、「特別の寄与」が認められれば、その貢献に応じて相続人にお金(特別寄与料)を請求できるのです。
ポイント整理|試験対策として押さえるべきこと
- 請求権者:相続人ではない親族
- 請求先:相続人
- 請求できる内容:金銭(特別寄与料)
- 根拠条文:民法1050条
- 請求期限:特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6箇月以内、又は相続開始の時から1年以内
📝まとめ
「特別の寄与」は、相続人ではないが被相続人に対して実質的な貢献をしてきた親族にも、正当な報酬(特別寄与料)を受け取るチャンスを与える制度です。相続法の改正によって、より公平な相続が実現されつつあります。
行政書士試験では、寄与分との違い(→寄与分は相続人に認められる制度)をしっかり理解しておくと、得点に直結します!