目次
事案
裁判で敗訴した当事者が、判決を行った裁判官が本来適用されるべき法律を適用せずに自分を敗訴させたことは違法であるとして、国家賠償請求訴訟を提起した。
結論

国家賠償請求は認められない。
判旨
裁判官がした争訟の裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵が存在したとしても、これによって当然に国家賠償法1条1項の規定に言う違法な行為であったものとして国の損害賠償責任の問題が生ずるものではなく、この責任が肯定されるためには、当該裁判官が違法または不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とする。