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事案
道路上に故障車が放置されていたが、道路管理者は道路を常時巡視しておらずこの事実を知らなかったところ、故障者の放置から87時間後に原動機付自転車が故障者に衝突し、原動機付自転車の運転手が死亡した。
そこで、運転手の遺族が、道路管理者には道路管理の瑕疵があったとして、国家賠償請求訴訟を提起した。
結論

国家賠償請求は認められる。
判旨
故障者が87時間にわたって放置され、道路の安全性を著しく欠如する状態であったにもかかわらず、道路管理者は、道路を常時巡視して応急の事態に対処しうる看視体制をとっていなかったために、本件事故が発生するまで故障者が道路上に長時間放置されていることを知らず、道路の安全性を保持するために必要とされる措置を全く講じていなかったときは、道路管理者の道路管理に瑕疵があったというほかない。