【重要】最大判昭49.11.6:猿払事件

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事案

郵便局に勤務する現業国家公務員が、特定の政党を支持する目的でポスターの掲示や配布をした行為が、国家公務員法102条第1項および人事院規則14-7に違反するとして起訴された。

そこで、国家公務員法および人事院規則の合憲性が争われた。

結論

合憲。

判旨

①政治的行為の保障

国家公務員法102条1項および人事院規則によって公務員に禁止されている政治的行為も多かれ少なかれ政治的意見の表明を内包する行為であるから、もしそのような行為が国民一般に対して禁止されるのであれば、憲法違反の問題が生ずることはいうまでもない。

②公務員の政治的行為の自由

公務員の政治的中立性を損なうおそれのある公務員の政治的行為を禁止することは、それが合理的で必要やむを得ない限度にとどまるものである限り、憲法の許容するところである。

③公務員の政治的行為の禁止の合憲性判定基準

公務員の政治的行為を禁止することができるかの判断に当たっては、禁止の目的、禁止の目的と禁止される政治的行為との関連性、政治的行為を禁止することにより得られる利益と禁止することにより失われる利益との均衡の3点から検討することが必要である。

※猿払事件判決の示した合憲性判定基準を合理的関連性の基準という。

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