目次
事案
在監者が新聞を定期購読していたところ、拘置所長がよど号ハイジャック事件に関する新聞記事を全面的に抹消した。そこで、その抹消処分が在監者の閲読の自由を侵害して違憲ではないかが争われた。
結論

合憲。
判旨
- ①閲読の自由の保障
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新聞紙・図書等の閲読の自由が憲法上保障されるべきことは、思想・良心の自由の不可侵を定めた憲法19条の規定や、表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨・目的から、その派生原理として当然に導かれる。
- ②在監者の閲読の自由に対する制限
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在監者の閲読の事由に対する制限が許されるためには、当該閲読を許すことにより監獄内の規律および秩序が害される一般的・抽象的なおそれがあるだけでは足りず、その閲読を許すことにより、監獄内の規律および秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性1があると認められることが必要である。
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- 蓋然性(がいぜんせい):可能性が高いこと ↩︎