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事案
無届で法案反対の署名活動を行ったり、許可を得ないで学外の政治団体に加入したりした行為が、学則の具体的な細則である生活要録に違反するとして、学生が退学処分を受けた。そこで、この学生が、退学処分が憲法19条に違反することを理由に学生たる地位の確認を求めて争った。
結論

退学処分は憲法19条に違反しない(間接適用説)。
判旨
- ①人権想定の私人間への適用
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憲法19条、21条、23条等のいわゆる自由権的基本権の保障規定は、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障することを目的とした規定であって、専ら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人間相互間の関係について当然に適用ないし類推適用されるものではない。
- ②退学処分の合憲性
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市立学校は、建学の精神に基づく独自の教育方針を立てて、学則を制定することができ、学生の政治活動を理由に退学処分を行うことは、懲戒権者に認められた裁量権の範囲内にある。
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