【重要】最判平20.4.11:集合住宅でのビラ配布行為の可否

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事案

防衛庁(当時)の職員及びその家族が住む集合住宅に無断で立ち入り、「自衛隊のイラク派兵反対」などと書かれたビラを配布した者が、住居侵入罪で起訴された。

そこで、ビラ配布行為について住居侵入罪で起訴することは、憲法21条1項に違反するのではないかが争われた。

結論

合憲。

判旨

本件では、表現そのものを処罰することの憲法適合性が問われているのではなく、表現の手段すなわちビラの配布のために「人の看守する邸宅」に管理権者の承諾なく立ち入ったことを処罰することの憲法適合性が問われているところ、本件で被告人らが立ち入った場所は、防衛庁の職員及びその家族が私的生活を営む場所である集合住宅の共有部分およびその敷地であり、自衛隊・防衛庁当局がそのような場所として管理していたもので、一般に人が自由に出入りすることのできる場所ではない。

たとえ表現の自由の行使のためとはいっても、このような場所に管理権者の意思に反して立ち入ることは、管理権者の管理権を侵害するのみならず、そこで私的生活を営む者の私生活の平穏を侵害するものといわざるを得ない。

👉憲法5:「精神的自由権」とは?思想・信教・表現・学問の自由をやさしく解説(表現内容中立規制)

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