目次
事案
東大の学生団体「ポポロ劇団」主宰の演劇発表会の観客の中に私服警官がいることを学生が発見し、その警察官に対して暴行を加えたところ、暴力行為等処罰に関する法律違反で起訴された。
そこで、私服警官の潜入が大学の自治に反するのではないかが争われた。
結論

合憲。
判旨
- ①23条の意義
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23条の学問の自由は、学問的研究の自由とその研究結果の発表の自由とを含むものであって、一面において、広くすべての国民に対してそれらの自由を保障するとともに、他面において、大学が学術の中心として深く審理を探求することを本質とすることにかんがみて、特に大学におけるそれらの自由を保障することを趣旨としたものである。
- ②施設利用権と大学の自治
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大学の学生が学問の自由を享有し、また大学当局の自治的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。
- ③学生の集会と大学の自治
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学生の集会が真に学問的な研究またはその結果の発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当たる行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は共有しない。
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