【重要】最大判昭42.5.24:朝日訴訟

目次

事案

朝日氏が受領していた生活扶助が健康で文化的な最低限度の生活水準を維持するに足りるかどうかが争われた

結論

訴えの却下

判旨

①生存権の法的性格

25条の規定は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない。

②健康で文化的な最低限度の生活の認定判断

健康で文化的な最低限度の生活は、抽象的相対的概念であり、その具体的内容は、文化の発達・国民経済の進展に伴って向上するのはもとより、多数の不確定要素を総合考量して初めて決定できる。
したがって、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、厚生大臣(現厚生労働大臣)の合目的な裁量に委ねられており、その判断は、当不当の問題として政府の政治責任が問われることはあっても、直ちに違法の問題を生じることはない。

③司法審査の対象

現実の生活条件を無視して著しく低い基準を設定する等、憲法および生活保護法の趣旨・目的に反し、法律によって与えられた裁量権の限界を超えた場合または裁量権を濫用した場合には、違法な行為として司法審査の対象となり得る。

👉憲法8:「社会権」とは?生存権・教育を受ける権利・勤労の権利・労働基本権をわかりやすく解説(生存権)

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