民法26-1:相続人の種類・順位

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相続人の種類・順位

血族相続人

血族相続人は、被相続人の①887条1項)、②直系尊属1889条1項1号)③兄弟姉妹(けいていしまい)(889条1項2号)の順で相続となる。

配偶者

配偶者は、常に血族相続人と同順位で相続人となる(890条)。この趣旨は、夫婦財産の清算と被相続人の死亡後の扶養にある。

血族相続人と配偶者の相続分は、以下の通り。

血族相続人配偶者の相続分血族相続人の相続分
第1順位被相続人の子1/21/2
第2順位被相続人の直系尊属2/31/3
第3順位被相続人の兄弟姉妹
※父母の片方を同じくする者は
双方を同じくする者の1/2
3/41/4

代襲相続

①代襲相続とは?

代襲相続とは、相続人となるべき者が相続開始時に相続権を失っていた場合に、その物の直系卑属がその相続分を相続する制度のこと。

②代襲相続人の資格

代襲相続人となることができるのは、子の子887条2項本文)と兄弟姉妹の子(889条2項)。代襲相続人となることができるのは、子の子であれば被相続人の直系卑属に、兄弟姉妹の子であれば被相続人の傍系卑属に限られている(887条2項但書889条2項)。2

代襲者が子の子である場合、その子(子の子の子)はさらに代襲相続をすることができる(887条3項)。これを再代襲相続という。これに対して、代襲者が兄弟姉妹の子である場合、その子(兄弟姉妹の子の子)は再代襲相続をすることはできない。

③代襲原因

代襲原因は、被相続人の子・兄弟姉妹が、①相続開始以前に死亡したこと、②相続欠格によって相続権を失ったこと、③廃除によって相続権を失ったことによる(887条2項本文889条2項)。
※相続の放棄は、代襲原因ではない。

胎児の扱い

胎児は、相続については、既に生まれたものとみなされ(886条1項)、相続人となることができる。

もっとも、胎児が死産であった場合は、この規定は適用されない(886条2項)。

同時死亡の推定

数人の者が死亡した場合において、そのうちの1人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの物は、同時に死亡したものと推定される(32条の2)。
したがって、死亡者相互の相続が認められないことになる。
※同時死亡の推定がなされる場合も、代襲相続が認められる。

  1. 直系尊属:直系血族(世代が上下に直線的に連なる血縁者)のうち、自分より前の世代にある者のこと。例えば、父母や祖父母など。 ↩︎
  2. 参考:養子は養子縁組の日から法定血族関係に入るため(727条)、養子縁組前に生まれた子は、養親の親の直系卑属とはならず、代襲相続人となることはできない。 ↩︎
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