🧭この記事はこんな人におすすめ
- 行政書士試験で地方自治法を学んでいる方
- 「住民監査請求」と「事務監査請求」の違いを整理したい方
- 地方行政の監査制度について具体的に知りたい方
- キーワード検索:「住民監査請求とは」「住民訴訟 違い」「地方自治 監査制度」
目次
📝住民監査請求とは?
住民監査請求は、地方公共団体の財務に関する違法や不当な行為を住民が1人でもチェックできる制度です。
これは、地方自治法第242条に基づくもので、地方の税金の使われ方が適正であるかどうか、住民自らが監査請求を通じて確認できる仕組みとなっています。これを住民監査請求といいます。12
✅事務監査請求との違いは?
住民監査請求とよく似た制度に「事務監査請求」がありますが、次のような違いがあります。
事務監査請求 | 住民監査請求 | |
対象 | 地方公共団体の事務全般 | 地方公共団体の財務会計上の行為または怠る事実に限られる |
必要署名数 | 選挙権を有する者の総数の50分の1以上 | 不要(1人で可) |
結果に不満があるとき | 訴訟の提起はできない | 住民訴訟を提起できる |
特に財務に関する問題については、署名を集める手間なく、個人で請求できる住民監査請求が使えるのが特徴です。
🎯住民監査請求の対象となるのは?
次のような財務会計上の問題行為が対象となります。
- 違法または不法な支出、契約、財産の管理
- 必要な措置を怠った事実
✍住民監査請求で求められる内容は?
住民監査請求を通じて、以下のような対応を地方公共団体に求めることができます(242条1項)。
- 違法・不法な行為の防止や是正
- 怠った事実の是正
- 損害が出ていれば、その補填のための措置を取ること
⏳住民監査請求には期間制限がある?
財務会計上の違法・不当な行為に関する監査請求は、
「その行為があった日または終わった日から1年以内」に請求しなければなりません(ただし、正当な理由があれば例外あり)(242条2項)。
一方、怠る事実(例:不作為)の場合は期間制限がありません(最判平14.7.2)。
🧠まとめ
住民監査請求は、1人でもできる地方行政チェックの手段です。
特に、税金の無駄遣いや不正に対して住民自らが声を上げることができるこの制度は、民主的な地方自治を支える大切なしくみとなっています。