会社法4-3:株主総会の招集手続

目次

株主総会の招集手続

①招集場所

会社法では、株主にとって特に不利益とならない限り、株主総会を開催する場所に制限はない。

②招集時期

株主総会には、毎事業年度1の終了後一定の時期に召集される定時株主総会296条1項)と、必要に応じて随時招集される臨時株主総会296条2項)がある。

③招集権者

取締役会設置会社では、取締役会の決議(298条4項)に基づいて、代表取締役名義で招集通知を出す。
取締役会非設置会社では、取締役が決定し招集通知を出す(296条3項)。2

もっとも、少数株主権として、一定の株式数を保有する株主にも株主総会の招集を請求する権利が認められている(297条)。

④招集通知

株主総会の招集通知については、以下の表のような規制がある

発出時期通知の方法
公開会社、書面・電子投票を定めた会社2週間前書面3
それ以外の会社1週間前
(取締役会非設置会社の場合、定款で短縮可能)
取締役会設置会社の場合⇒書面
取締役会非設置会社の場合⇒制限なし

⑤招集手続の省略

書面・電磁的記録による議決権行使を認める場合(298条1項3号・4号)を除いて、株主全員の同意があれば、招集手続なしに株主総会を開催することができる(300条)。4

⑥株主総会資料の電子提供制度

株主総会資料の電子提供制度とは、株主総会資料を自社のWebサイトに掲載し、株主に当該Webサイトのアドレス等を書面で通知することで提供する制度のこと(325条の2)。資料の掲載日は、株主総会の日の3週間前または招集の通知を発した日のいずれか早い日(325条の3第1項)。

  1. 事業年度:会社の収支決算を明らかにするための区切りとなる期間。会社によってことなるものの、1月1日もしくは4月1日から1年または半年が一般的。 ↩︎
  2. 重要判例:代表取締役以外の取締役によって招集された株主総会は、招集権原のない者により招集されたものであって、法律上の意義における株主総会ということはできず、株主総会決議があったものとはいえない(不存在である)(最判昭45.8.20)。 ↩︎
  3. 参考:株主の承諾があれば、電磁的方法(電子メール等)で通知することもできる(299条3項)。 ↩︎
  4. 重要判例:招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であっても、株主全員がその開催に同意して出席した、いわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項について決議をしたときには、この決議は株主総会の決議として有効に成立する(最判昭60.12.20)。 ↩︎
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