会社法4-3:株主総会の招集手続とは?場所・時期・通知方法までわかりやすく解説!

✅ この記事はこんな人におすすめ
  • 株主総会の招集手続について基礎から学びたい人
  • 行政書士試験で会社法の理解を深めたい受験生
  • 株主総会の流れを具体的に知っておきたい方
  • 定時総会・臨時総会の違いを押さえたい人
目次

株主総会の招集手続とは?

会社の重要な意思決定を行う「株主総会」。この株主総会を開くためには、法律に沿った正しい「招集手続」が必要です。
ここでは、株主総会を招集する際の場所・時期・招集する権限を持つ人・通知の方法・省略できるケースなどを、行政書士試験にも役立つようにやさしく解説します。

①株主総会はどこで開くの?【招集場所】

会社法では、株主にとって特に不利益でない限り、どこで開催してもOKです。
本社だけでなく、別の会議室やオンライン開催も可能です(ただし、実務では定款により制限されている場合もあるので注意)。

②株主総会はいつ開く?【招集時期】

株主総会には2種類あります。

種類内容
定時株主総会毎事業年度1の終了後、一定の時期に開催(296条1項
臨時株主総会必要に応じて随時開催される(296条2項

③誰が株主総会を招集できるの?【招集権者】

招集できる人は、会社の機関設計によって異なります。

  • 取締役会設置会社取締役会の決議に基づき、代表取締役が通知を出す(298条4項)。
  • 取締役会非設置会社取締役が決定し招集通知を出す(296条3項)。2

また、株主にも一部権利があります。

🔸 少数株主権(297条
一定の割合の株式を持つ株主は、会社に株主総会の招集を請求できます。

④いつ・どうやって通知する?【招集通知のルール】

株主総会の招集通知については、以下の表のような規制がある

発出時期通知の方法
公開会社、書面・電子投票を定めた会社2週間前書面3
それ以外の会社1週間前
(取締役会非設置会社の場合、定款で短縮可能)
取締役会設置会社の場合⇒書面
取締役会非設置会社の場合⇒制限なし

⑤招集手続は省略できる?【例外ルール】

すべての株主が同意すれば、招集手続を省略して株主総会を開催できます(300条)。4
ただし、書面や電磁的記録で議決権行使を認める場合はこの省略はできません(298条1項3号・4号)。

⑥株主総会資料はWebで提供できる?【電子提供制度】

株主総会資料の電子提供制度とは、株主総会資料を自社のWebサイトに掲載し、そのURLを株主に書面で通知する制度です(325条の2)。資料の掲載日は、株主総会の日の3週間前または招集の通知を発した日いずれか早い日325条の3第1項)。

✅ まとめ

株主総会を開くには、会社法に従った正しい手続きが求められます。
特に、誰がいつ、どのように招集するのかを問う問題は、行政書士試験でも頻出ポイント。
この機会に、表や図でしっかり整理して覚えておきましょう。

  1. 事業年度:会社の収支決算を明らかにするための区切りとなる期間。会社によってことなるものの、1月1日もしくは4月1日から1年または半年が一般的。 ↩︎
  2. 重要判例:代表取締役以外の取締役によって招集された株主総会は、招集権原のない者により招集されたものであって、法律上の意義における株主総会ということはできず、株主総会決議があったものとはいえない(不存在である)(最判昭45.8.20)。 ↩︎
  3. 参考:株主の承諾があれば、電磁的方法(電子メール等)で通知することもできる(299条3項)。 ↩︎
  4. 重要判例:招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であっても、株主全員がその開催に同意して出席した、いわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項について決議をしたときには、この決議は株主総会の決議として有効に成立する(最判昭60.12.20)。 ↩︎
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