🎯この記事はこんな人におすすめ
- 行政書士試験で会社法を勉強している方
- 株主総会で決められることを整理したい方
- 難しい条文をわかりやすく理解したい方
目次
🏢株主総会の権限とは?
株主総会は、株式会社の「意思決定機関」のひとつで、株主によって構成されています。つまり、会社の「オーナー」である株主が集まって会社の重要事項を決める場です。
ただし、株主総会が決められる内容は、会社の種類によって異なります。
🔍取締役会の有無で決議できる内容が変わる!
株主総会の権限は、取締役会設置会社であるか取締役会非設置会社であるかに次のようによって異なります。
取締役会設置会社 | 取締役会非設置会社 |
会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り決議することができる(295条2項) | 会社法に規定する事項および株式会社の組織・運営・管理その他株式会社に関する一切の事項について決議することができる(295条1項) |
つまり、取締役会を設置している会社では、株主総会の権限はやや限定されます。一方、取締役会がない会社では、株主総会がほぼすべてのことを決められるのです。
📝株主総会で決議する主な事項一覧
株主総会で実際に決議される内容は、大きく5つのカテゴリに分けられます。
①会社の基礎に関する重要事項
これらは、会社の形や存在そのものに関わる決定です。
内容 | 決議の種類 |
---|---|
定款の変更 | 特別決議(466条) |
資本金・準備金の減少 | 普通決議(447条1項、448条1項) |
事業譲渡の承認 | 特別決議(467条1項) |
組織再編(合併・会社分割など) | 特別決議(783条1項、795条1項、804条1項、816条の3第1項) |
解散の決定 | 特別決議(471条3号) |
②役員の選任・解任に関する事項
会社の経営陣を決める重要な事項です。
③会社の計算に関する事項
決算書など、会社のお金の使い方に関することです。
内容 | 決議の種類 |
---|---|
計算書類の承認 | 普通決議(438条2項) |
④株主の利益に関する事項
株主にとって直接メリット・デメリットがある内容です。
内容 | 決議の種類 |
---|---|
剰余金の配当 | 普通決議(454条) |
譲渡制限株式の譲渡承認(取締役会非設置会社) | 特別決議(139条1項) |
自己株式の取得 | 特別決議(156条1項、160条1項) |
株式の併合 | 特別決議(180条2項) |
募集株式や新株予約権の発行に関する決定 | 特別決議(199条2項、238条2項) |
相続人に対する株式売渡請求の決定 | 特別決議(175条1項) |
⑤取締役との利害関係がある事項
会社と役員との間で利害が衝突する可能性がある場合は、株主総会でチェックします。
内容 | 決議の種類 |
---|---|
取締役・監査役・会計参与の報酬等の決定 | 普通決議(361条1項、379条1項、387条1項) |
取締役の競業取引・利益相反取引の承認〔取締役会非設置会社〕 | 普通決議(356条1項) |
取締役・監査役等の責任の一部免除 | 普通決議(425条1項) |
✅まとめ:株主総会の権限は「会社の種類」によって変わる!
- 株主総会は、会社の大きな意思決定をする大切な場。
- 取締役会の有無で、株主総会の決議範囲が異なる。
- 試験では、普通決議と特別決議の違い、条文番号とあわせて覚えるのがポイント!