🎯この記事はこんな人におすすめ!
- 「監査役って何をする人なの?」と疑問に思っている方
- 行政書士試験の商法(会社法)対策をしている方
- 監査役と監査役会の違いや役割をスッキリ整理したい方
- 出題されやすい条文やポイントを押さえておきたい方
目次
監査役とは?その役割と基本的な考え方
監査役とは、会社の取締役や会計参与の仕事が法律や定款に従って正しく行われているかをチェックする人のことです。いわば「会社の番人」のような存在です。
特に定款で制限されていない限り、業務監査権限(仕事ぶりの監査)と会計監査権限(お金の使い方の監査)の両方を行うことができます。
※参考:非公開会社であって監査役会・会計監査人が置かれていない会社では、定款で監査役の職務を会計監査の範囲に限定することができる(389条1項)。
監査役になるための資格・制限
監査役には次のような制限があります。
などと兼任できない(335条2項)。
→ 監査対象となる立場と同時に監査役を兼ねると、公正な監査ができないためです。
監査役の人数は?社外監査役ってなに?
- 監査役会を置かない会社:1人いればOK
- 監査役会を設置する会社:3人以上が必要で、そのうち過半数は社外監査役でなければなりません(335条3項)。
💡社外監査役とは?
以下のような条件を満たす人です(2条16号)。
株式会社の監査役であって、その就任の前10年間に当該株式会社またはその子会社の取締役・会計参与・執行役・支配人その他の使用人となったことがないことなどの要件を満たすもの(2条16号)。
監査役の選び方と任期
- 選任方法:株主総会の普通決議で選ばれます(329条1項、341条)。
- 任期:4年間(336条1項)で、定款や株主総会決議で短くすることはできません
- 解任する場合:株主総会の特別決議が必要です(339条1項、309条2項7号)。
監査役の主な権限と職務
- 取締役等への報告請求・調査権
- 不正や違反の報告義務
取締役の不正行為、法令・定款違反を発見したときは、遅滞なく、取締役会(取締役会非設置会社では取締役)に報告をしなければならない(382条) - 取締役会出席・意見陳述義務
取締役会に出席し、必要があれば意見を述べなければならない(383条1項本文) - 株主総会での報告義務
取締役が株主総会に提出しようとする議案・書類等を調査し、法令・定款違反や著しく不当な事実を発見した場合には、株主総会に報告をしなければならない(384条) - 会社・取締役間の訴訟の会社代表
会社と取締役の間の争訟については、監査役が会社を代表する(386条1項)
監査役会とは?その機能と役割
監査役会とは、すべての監査役で構成される合議体で、次のような役割を担います(390条2項本文)。
監査役会の主な職務
- 監査報告の作成
- 常勤の監査役の選定・解職
- 監査方針や調査方法などの監査役の職務の執行に関する事項の決定
監査役会とは、すべての監査役で組織される合議制の機関のこと。
✅まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
選任 | 株主総会の普通決議 |
任期 | 4年(短縮不可) |
解任 | 株主総会の特別決議 |
社外監査役 | 一定期間、会社・子会社と無関係な人 |
権限 | 業務・会計監査、報告義務、会社代表権など |