この記事はこんな人におすすめ
- 「地上権ってそもそも何?」という初学者の方
- 借地権との違いを明確に理解したい受験生
- 区分地上権や借地借家法との関係を整理したい方
- 過去問や模試で「地上権」に関する問題に自信がない方
目次
地上権とは? ─ 他人の土地を使える「物権」のひとつ
地上権(ちじょうけん)とは、他人の土地に建物や橋、トンネルなどの工作物、または竹木を所有するために、その土地を使用できる権利のことです(265条)。
🏗️ ポイント:工作物とは?
「建物」「橋」「トンネル」など、人が作った構造物が含まれます。
🌳 竹木とは?
特に種類の制限はありません。ただし、果樹などのように「耕作」目的とされるものは、永小作権の対象になるので注意しましょう。
借地借家法の適用されるケースとは?
地上権の中でも、建物の所有を目的として設定されたものは、「借地権(しゃくちけん)」と呼ばれます。この場合、借地借家法の規定が適用されます(借地借家法第1条・第2条第1号)。
地権に関係するポイント
- 借地権には「地上権型」と「賃借権型」がありますが、行政書士試験では「地上権型」の位置づけを把握しておくことが重要です。
- 契約書に「地上権設定契約」と明記されている場合には、明確に地上権が成立します。
区分地上権 ─ 地下や空中にも設定できる地上権
地上権は、単に地面を使うだけではありません。地下や空中の一部だけを使う地上権も存在します。これを「区分地上権(くぶんちじょうけん)」と呼びます。
たとえば、以下のようなケースが該当します。
- 地下にトンネルを通すための権利
- 空中に高架鉄道や歩道橋を建てるための権利
これは、上下の空間を区切って利用するタイプの地上権であり、民法第269条の2第1項に定められています。
試験対策のポイントまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
地上権とは | 他人の土地に工作物や竹木を所有するための物権(民法265条) |
借地権との関係 | 建物所有目的の地上権は借地権となり、借地借家法が適用される |
区分地上権とは | 地下や空中の特定部分を使うために設定される地上権(民法269条の2) |
まとめ
地上権は、土地を使う権利の中でも特に「所有」に近い強い権利です。借地権や区分地上権との関係も重要なポイントなので、用語の定義や条文番号をしっかりおさえておきましょう。行政書士試験でも頻出のテーマなので、混同しないように理解を深めてください。