商法1-6:「代理商」とは?支配人との違いや許可が必要な行為をわかりやすく解説

【この記事はこんな人におすすめ】
  • 「代理商ってどんな立場なの?」と疑問を感じた方
  • 支配人との違いがよくわからず混乱している方
  • 商法の代理商に関する条文(商法27条・28条)をやさしく理解したい方
  • 行政書士試験で出題される商法のポイントをおさえたい方
目次

代理商とは?商人に雇われない“独立した”代理人

代理商(だいりしょう)とは、商人に雇われた従業員(商業使用人)ではないけれど、その商人の営業に関する取引を代理したり媒介したりする人のことをいいます(27条)。1
簡単にいえば、”商人の営業活動をサポートする“外部の協力者”のような存在です。

代理商は商業使用人ではありません。委任契約(または準委任契約)にもとづき、商人から仕事を任される独立した立場の商人です。つまり、雇われているのではなく、自らも商人として活動しています。

代理商が行うには許可が必要な行為

代理商は、商人の代理人として行動しますが、商人から許可を受けなければ行ってはならない行為があります(28条1項)。これは、支配人に課せられる義務(23条)より範囲が狭く設定されています。

なぜかというと、代理商は支配人と違って商人に従属していないからです。独立した立場ゆえに、制限も必要最低限に留められているのです。

許可が必要な行為は次の2つです

  1. 自分自身や第三者のために、商人の営業の範囲内で取引を行うこと
     → 競業行為にあたり、利益相反のおそれがあるため。

  2. 商人と同じ種類の事業をしている会社の役員などになること
     → たとえば、その事業を行う会社の「取締役」「執行役」「業務執行社員」になる場合が該当します。

支配人との違いは?表で比較!

区分支配人代理商
資格自然人法人でも可
商人との関係雇用契約
(商人に従属)
委任または準委任契約
(商人から独立)
代理権授与しないこともできる授与しないこともできる
競業避止義務あり
(23条1項2号)
あり
(28条1項1号・2号)
精力分散防止義務あり
(23条1項1号・3号・4号)
なし

まとめ

代理商は、商人から委任を受けて営業活動を代理・媒介する独立した立場のビジネスパートナーです。
支配人のように従業員ではないため、行動の自由はありますが、商人の利益を守るために一定の行為には許可が必要です。

商法を学ぶうえで、代理商と支配人の違いをしっかりおさえておきましょう!

  1. 参考:取引の代理を行う代理商のことを締約代理商、取引の媒介を行う代理商を媒介代理商という。 ↩︎
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