行政法28-3:直接請求

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直接請求とは?

住民にとって身近な地方の政治は、国の政治よりも住民に大きな影響を及ぼす。そこで、地方自治法は、住民による監視と参加を可能にするため、地方の統治を直接コントロールすることができる制度を認めている。これを直接請求1という。

直接請求には、以下の4種類がある。

  • 条例の制定改廃請求2
  • 事務監査請求
  • 議会の解散請求
  • 議員・長・主要公務員の解職請求(リコール)

直接請求は、その地方公共団体の有権者の一定割合の署名を集め、この署名を請求先に提出することによってなされる。必要な署名数や請求先は次の通り。

必要署名数
(選挙権を有する者)
請求先請求後の措置
条例の制定
改廃請求
74条34
50分の1以上請求を受理した日から20日以内に議会を招集
意見を付けて議会に付議
結果を代表者に通知&公表
事務監査請求
75条
50分の1以上監査委員監査の結果に関する報告を決定
代表者に送付&公表
法律に基づく委員会・委員に提出
議会の解散請求
76条
原則:3分の1以上選挙管理委員会解散の投票で過半数の同意→解散
78条
議員・長の
解職請求
80条81条
原則:3分の1以上選挙管理委員会解散の投票で過半数の同意→解散
83
主要公務員の
解職請求
86条5
原則:3分の1以上議員の2/3以上出席→3/4以上の同意→失職
87条1項
  1. 参考:直接請求は選挙権を有する者でなければすることができないので、外国人は直接請求をすることができない。 ↩︎
  2. 改廃:改正したり廃止したりすること。 ↩︎
  3. 参考:地方税の賦課徴収・分担金・使用料・手数料の徴収に関する条例の制定改廃請求をすることはできない(74条1項かっこ書↩︎
  4. 参考:法定受託事務に関する条例についても、条例の制定改廃請求の対象とすることができる。 ↩︎
  5. 参考:主要公務員の解職請求の対象となるのは、①副知事・副市町村長、②指定都市の総合区長、③選挙管理委員、④監査委員、⑤公安委員会の委員86条1項)。 ↩︎
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