行政法4-3:「即時強制」とは?わかりやすく解説|例とポイントを押さえてスッキリ理解!

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即時強制とは?

即時強制(そくじききょうせい)」とは、相手にあらかじめ命令を出す時間的な余裕がない緊急時などに、行政機関が直接、相手の身体や財産に対して有形力(=実力)を行使し、行政目的を達成する方法のことです。1

即時強制には法律の根拠が必要

即時強制は、国民の身体や財産に直接影響を与える重大な行為です。そのため、「法律による行政の原理(=法律の留保の原則)」により、必ず法律に根拠がなければ行えません

※地方自治体が定めた「条例」に根拠がある場合でも、有効です。

即時強制に関する通則的なルールはない

即時強制については、「行政代執行法」のような通則法は存在しません。そのため、どのような場面で即時強制が可能か、どんな手続きが必要かといった詳細は、個別の法律に定められています。

まとめ:即時強制は“命令を待たずに実力行使できる”特殊な手段

  • 即時強制とは、命令を経ずに直接実力を行使する行政手段
  • 身体や財産を制限するため、法律または条例の根拠が必要
  • 共通のルールはなく、各法律ごとに個別の規定がある
  1. 具体例:火災が発生した建物の中に人が閉じ込められている場合、建物の持ち主に対してその壁を破壊する義務を命じている余裕はないことから、消防団員は、建物の持ち主に無断でその建物の壁を破壊することができる ↩︎
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