民法21-4:寄託契約とは?意味・注意義務・返還時期までわかりやすく解説

🧭この記事はこんな人におすすめ
  • 「寄託契約って何?」と基本から知りたい人
  • 行政書士試験の民法(契約)をしっかり押さえたい人
  • 委任契約との違いや受寄者の義務について混乱している人
  • 試験対策として、条文とセットで理解したい人
目次

寄託契約とは?わかりやすく解説!

寄託契約とは、「物を預けて保管してもらう契約」です。たとえば、友人に腕時計を預けておくような場合がイメージしやすいですね。

法律的には、次のように定義されています。

寄託(657条)。
寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

事例
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config:
  theme: neutral
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sequenceDiagram
autonumber

actor A_寄託者
actor B_受寄者

note over A_寄託者: 時計
A_寄託者 ->> B_受寄者:寄託 and 引渡し
B_受寄者 ->> B_受寄者:保管
B_受寄者 ->> A_寄託者:返還
A_寄託者 ->> B_受寄者:報酬 or 無報酬

AはBに対して「自分の所有する時計を保管してほしい」と申込みをし、Bはこれを承諾した。その後、AはBに時計を引き渡した。

報酬はもらえる?【無償が原則】

寄託契約では、委任契約の場合と同様に原則として報酬は発生しません。ただし、あらかじめ「報酬あり」と決めておけば、受寄者は報酬を請求できます(665条648条1項)。

受寄者の注意義務とは?

受寄者が寄託物をどれくらいの注意をもって保管すべきかは、報酬の有無によって異なります。

報酬の有無注意義務の内容根拠条文
無報酬自己の財産に対するのと同一の注意でOK659条
有報酬善良な管理者の注意が必要400条(準用)

✅関連ページもチェック!

👉 商行為の特則(受領物保管義務)
商人同士の寄託契約では、さらに異なるルールが適用される場合があります!

寄託にも「委任のルール」が使われる(準用)

寄託契約には、委任契約のルールも一部適用されます665条)。
以下のような義務が該当します

委任の規定の準用

  • 受寄者の義務
    1. 受領物・果実の引渡義務(646条1項
    2. 取得権利の移転義務(646条2項
    3. 金銭消費の責任(647条

  • 寄託者の義務
    1. 特約ある場合の報酬支払義務(648条
    2. 費用前払義務(649条
    3. 費用償還義務(650条1項
    4. 債務の代弁済・担保提供義務(650条2項

寄託物の返還時期はどう決まる?

寄託物をいつ返すかは、返還時期の定めがあるかどうかで違ってきます。

  1. 返還時期を定めた場合
    • 寄託者:いつでも返還請求できる(662条1項
    • 受寄者:やむを得ない事由がある場合を除き、返還時期に返還する(663条2項

  2. 返還時期を定めなかった場合
    • 寄託者:いつでも返還請求できる(662条1項
    • 受寄者:いつでも返還できる(663条1項

つまり、寄託者はいつでも「返して」と言える柔軟な立場にあります。

📝まとめ:寄託契約のポイント

  • 寄託契約=物を保管してもらう契約
  • 原則は無償だが、特約があれば報酬を請求できる
  • 受寄者の注意義務は報酬の有無で異なる
  • 委任のルール(義務)も一部適用される
  • 寄託者はいつでも返還請求できるのが原則!
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